法人の青色申告

起業

 会社を設立し起業しようと計画している方とお話しする際に、
「法人にも青色申告ってあるのですか?」
と少し驚かれて聞かれることがあります。
個人所得の確定申告における青色申告の方がより知られていることにむしろ私どもの方が驚かされます。

 法人税申告にも青色申告制度はあります。
一般に法人の方が取引規模が大きくなることを考えると、青色申告を選択することの重要性は大きく、起業の際に決して無視することのできない事項の一つと言えます。


今回は、会社が青色申告を選択する場合に必要なる手続きと要件、
および選択した場合のメリットについてまとめてみたいと思います。


 法人が青色申告を選択するためには、会社設立後3ヶ月以内に管轄の税務署に
「青色申告の承認申請書」を提出する必要があります(会社設立後3ヶ月以内に決算日が到来する場合は決算日より前に提出する必要がありますのでご注意ください)。
 特に添付を求められる資料はありません。会社設立後2ヶ月以内に提出する「法人設立届出書」とセットで提出することが一般です。

 この承認申請書にも記載する必要があるのですが、
青色申告を選択する要件として、一定の帳簿書類を備え付けて取引を記録し保存することが求められます。
 この点、確かに経営者には負担になるとは思うのですが、
会社を経営する以上、財務状況を常に把握することは必須であり、
助成金や融資を想定しているのであればいずれにせよ避けては通れない道です。クラウドを利用した会計ソフトなど近年のソフトウェアの進歩も経営者の負担を軽減させる一助となっています。

 どうかこの点で迷うことなく青色申告を選択していただければと思います。


青色申告

 青色申告を選択した場合のメリットですが、最も大きい事項は決算で生じてしまった損失(欠損金)を次期以降に繰り越すことができることです。すなわち、開業してしばらくの間利益が出ず、仮に赤字続きであっても、その損失を将来の利益と相殺し法人税の納付額を圧縮することができ、いわば発生してしまった費用を無駄にせずに済ますことができます。

 近年の税制改正により、現行制度上この欠損金は翌年以降9年間繰り越すことができ、平成30年4月以降開始する事業年度で生じた欠損金からは10年間繰り越すことができることになっています。これにより、初期投資の大きいビジネスにおいても、かなり余裕を持った利益計画を立てることが可能となっています。

 また、中小企業者(資本金1億円以下の法人)が青色申告をした場合、この繰越しとは逆に、
欠損金の「繰戻し」を行うことも認められています。
 これは、利益が出て法人税を納付した年度の翌年度に損失となった場合、この損失を前年度に繰り戻して前年度の利益と相殺し、
前年度に納付した法人税を還付してもらうという制度です。
 欠損金の繰越しの場合と異なり、繰戻しは1年間しか認められていませんが、近い将来の利益が見込めない場合などに有用な制度と言えます。


この欠損金の繰越しおよび繰戻し以外の青色申告のメリットとしては、
中小企業者に限られますが、30万円未満で取得した減価償却資産を取得した期に一括して償却(費用化)することができる制度や、一定の設備投資に関して特別償却や税額控除が認めらていることなどが挙げられます。
 また、法人税にかかる税務調査の際に調査官が青色申告法人に対して推計課税をすることができないことも重要なメリットであると言えます。


会社を設立し起業する方にとって、
法人税の青色申告は今や躊躇することなく選択すべき制度です。
どうか会社設立時に申請書の提出を忘れることなきよう、記憶に留めておいてください。

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