
設立の際の定款認証、出資の履行と役員選任の順番
株式会社の設立に際して、定款作成することは、はじめに行うとして、その後に行う、定款の認証、役員選任、資本金の払込はどのような順番で行うべきなのでしょうか?
※今回は中小企業では非常に多い株式会社の発起設立、取締役会非設置会社の場合で考えています。
設立の際の定款認証、出資の履行と役員選任の順番
会社法第38条第1項では、
発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。
と定められています。
出資の履行により、発起人の議決権が確定します。
会社法第40条では設立時役員等の選任は発起人の議決権の過半数をもって決定する。とあります。
よって、出資の履行→設立時役員の選任、の順番となります(順番に行為がなされていれば、同日でも構いません。)。
ちなみに第3項では、設立時取締役等を定款で定めた場合、出資の履行が完了したときに選任されたとみなす。と定められています。この場合、出資の履行=設立時役員の選任となります。
出資金(資本金)の履行は定款認証日以降が原則です。しかし、先例により、出資額について定めた定款作成日又は発起人同意書の作成日以降に出資の履行があれば、定款認証前に株式の引受および役員の選任がなされている場合でもその後に認証されておれば登記申請を受理してよいとされています。(昭31.5.19民事四発103号民事局第四課長電報回答)
よって、順番としては、払込む出資金を定めた定款作成・認証→出資履行→役員選任が原則ですが、払込む出資金を定めた定款作成→出資履行→役員選任→定款認証、でも可能となります。通常は原則の順番で行い、急ぐ場合により、上記の順番を検討することになります。
-
最新の記事
- 設立の際の定款認証、出資の履行と役員選任の順番
- 過去の申告書控えが見当たらない場合の対処法
- 平成31年税制改正後の法人の実効税率
- 会社設立をお考えの方が知っておかなければいけない消費税の本則課税と簡易課税
- 会社設立をお考えの方が知っておかなければいけない消費税の納税義務
- 資本金の払込
- 定款認証
- 合同会社の特徴
- 交際費に関するの2つの基準 − 800万円と5,000円
- 少額減価償却資産の法人税上の取扱い
- 減価償却費 - 個人事業主と会社での取扱いの違い
- 会社設立のスケジュール(出資と役員選任について)
- 平成30年度以降の「キャリアアップ助成金」はどう変わる?
- 同族会社の行為計算否認
- 消費税の簡易課税制度
- 法人成りをする理由とそのタイミング
- 平成30年からの配偶者控除の改正について
- 今年度から新設された「人事評価改善等助成金」
- 給与支給に関する会社設立時の届出
- 会社設立に要した費用の取扱い
-
月別
- 2019年11月 (1)
- 2019年10月 (1)
- 2019年6月 (1)
- 2019年5月 (1)
- 2019年4月 (1)
- 2019年2月 (1)
- 2018年12月 (1)
- 2018年11月 (2)
- 2018年8月 (1)
- 2018年7月 (2)
- 2018年4月 (1)
- 2018年1月 (1)
- 2017年12月 (1)
- 2017年11月 (1)
- 2017年9月 (1)
- 2017年7月 (1)
- 2017年6月 (1)
- 2017年2月 (2)
- 2017年1月 (1)
- 2016年12月 (1)
- 2016年11月 (1)
- 2016年10月 (1)
- 2016年9月 (1)
- 2016年7月 (1)
- 2016年6月 (1)
- 2016年5月 (1)
- 2016年3月 (1)
- 2016年2月 (1)
- 2016年1月 (1)
- 2015年10月 (1)
- 2015年9月 (1)
- 2015年7月 (1)