所得税の実効税率
平成27年分の所得税の納付が終わったの束の間、平成28年度の個人住民税の納付書が各市町村から届く時期となりました。
住民税の課税通知書をみて、個人の税金の負担の大きさを実感されている方も多いかと思います。
前回法人税の実効税率を取り上げてから期間があいてしまいましたが、今回は所得税の実効税率を取り上げたいと思います。
具体例(平成27年確定申告書)
以下は、平成27年所得税確定申告書の一例(単身者)です。
給与所得控除 | 社会保険料控除 | 基礎控除 | 課税所得 |
---|---|---|---|
190万円 | 96万円 | 38万円 | 376万円 |
所得税 3,760,000×0.2-427,500=324,500万円
住民税 383,400万円
所得税・住民税実行税率 324,500+383,400(=707,900)/7,000,000=10.11%
給与所得控除 | 社会保険料控除 | 基礎控除 | 課税所得 |
---|---|---|---|
245万円 | 152万円 | 38万円 | 1,165万円 |
所得税 11,650,000×0.33-1,536,000=2,308,500万円
住民税 1,172,400万円
所得税・住民税実行税率 2,308,500+1,172,400(=3,480,900)/16,000,000=21.75%
所得税と住民税の実効税率のみ見ますと、意外に個人の税負担は軽いかもと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、キャッシュフローで考えますと、社会保険料(本人負担と会社負担の合計)・所得税・住民税の負担は、
給与収入700万円の方で、96万円+96万円+324,500円+383,400円=2,627,900円
給与収入1,600万円の方で、152万円+152万円+2,308,500円+1,172,400円=6,520,900円
負担している事になります。
更にこれらの税金等を負担した後の預貯金に相続税が課税される方もいらっしゃいます。国債の発行残高があと数年で1千兆円に達すると見込まれるような苦しい財政状況の下では、個人の税金や社会保険料の負担増もやむを得ないのかもしれません。個人の方で起業をお考えの方は、個人の所得を法人の所得に効率よく移行するスキームをお考えになる必要があるかと思います。
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